お勧めは90cmスリム水槽



アフリカンシクリッドの飼育には、一般的に大型水槽が必要とされると考えられることがあり、そういった点から日本ではこの種の魚が敬遠されることがあるかもしれません。しかしアフリカンシクリッドの単独飼育なら60cm規格水槽でも飼育が可能です。従ってアフリカンシクリッドの単独飼育は、日本の住宅事情にも適した飼育方法と言えると思います。

しかし、出来ればもう少し大きい水槽があればよいです。言うまでもなく、たった一匹の魚でも水量が多ければ多いほど、水質悪化の期間を延ばせますから、手間が省けるのは間違いありません。とはいえ、水槽が大きすぎるのも、管理が大変になります。特に60cm規格水槽と90cm規格水槽を比較すると、水槽重量自体がかなり違い、60規格から90規格への移行は、相当なレベルアップという印象もありますから、どの家庭でも90cm規格水槽は導入できないかもしれません。そこで紹介したいのが、「90cmスリム水槽」という水槽です。
「90cmワイド水槽」という呼ばれ方もします。


*これが90cmスリム水槽。写真はPl.フェノキルス3匹の飼育。

この水槽は90cm×30cm×36cmというサイズの水槽で、60cm規格水槽(60cm×30cm×36cm)の幅だけを90cmにした水槽です。90cm規格水槽は90cm×45cm×45cmで、幅のみならず、奥行きも高さも長くなります。
90cmスリム水槽と90cm規格水槽では、水槽の重量がずいぶんと違います。小柄な私でも90cmスリム水槽なら軽々と持てますが、90cm規格水槽はなかなか持てません。ここで90cmスリム水槽を中心とした、いくつかの水槽スペックを紹介しましょう。

水槽の呼び名寸法(mm)水容量(l)自重(kg)価格(円)
90cmスリム水槽W900×D300×H37083166,000
60cm規格水槽W600×D295×H360576.52,000
90cm規格水槽W900×D450×H450157297,500
60cmワイド水槽W600×D450×H450105167,000
*寸法、水容量、自重データは観賞魚メーカー「ニッソー」の水槽データを参照
*価格は複数のHPに記載されているものを概算しました



ここから分かるのは、水量では、90cmスリム水槽は60cm規格水槽の約1.5倍、90cm規格水槽は60cm規格水槽の約3倍入ります。水量は多ければ多いほど良いのは言うまでもありませんが、単独飼育ですので、60cm規格の1.5倍もあれば問題はないでしょう。水槽自重では、60cm規格水槽、90cmスリム水槽共に20kg未満ですが、90cm規格水槽に関しては30kg近くあります。なので90cm規格は持ち運ぶのが大変です。また水槽に水を入れた時の重さは90cmスリム水槽だと約100kgなのに対し、90cm規格水槽は約200kgにもなります。住宅環境によっては設置できないところも出てくるかと思います。こういった意味からも、あくまで「60cm水槽の延長」である「90cmスリム水槽(90cm×30cm×36cm)」は、良い選択肢だと思います。
最下段に記した、60cmワイド水槽という水槽も販売されています。こちらは幅は60cmで、90cm規格水槽と奥行き、高さが同じ水槽です。製品自重は90cmスリム水槽とほぼ同じで、水量はスリム水槽よりも若干多いです。これもアフリカンシクリッドには適した水槽だと思います。そしてこの水槽には60cm規格水槽で使っていた上部フィルター等を流用できるメリットがあります。ただ個人的には、魚を観賞する面では水槽の奥行きや高さよりは、横幅があるほうが観賞には良いと考えていますので、どちらかというと90cmスリム水槽がおススメです。

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